ユキノチカラ

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2025.05.28

【ユキノチカラコラム】里山の恵み、あけびつるをくらしの道具に。

【ユキノチカラコラム】里山の恵み、あけびつるをくらしの道具に。

若畑創作館(若畑老人クラブ)


 

西和賀町の特産品「あけびつる細工」。日常の道具に使うべく丈夫に仕上げた一品は一つひとつの表情が味わい深く、町の返礼品としても人気です。

 

製作者は、「若畑創作グループ」のお母さんたち。

かごづくりに使うあけびつるは、11月頃に山に入って採取しますが、地面を這う強靭なものを使うため、採取も大変な労力が必要なのです。

最近では熊に出会う可能性も高いので、「私らも命懸けで山に入ってるのよ」と皆、口を揃えます。それでも、かごづくりに取り組むのは、つくる時間そのものを楽しんでいるからでしょう。

 

土の下から降り起こしたつるを洗って乾燥させ、お湯に漬け込んで柔らかくし、その後さらに乾燥させて、やっと材料が準備できます。

仕事場である「若畑高齢者創作館」でお互いの話をしながら、お母さんたちはあけびつるを丁寧に組み上げていきます。

 

昭和期、農閑期を活かした地場産業育成のためスタートした若畑のあけびつる細工。

透かし編みを生かしたスタンダードな手提げカゴは、作り手それぞれの手加減で出来上がるので、同じカゴでも個性が表れるのが楽しさのひとつです。
日常使いにぴったりのかごやざるなど、出来上がった作品を見せ合ったり、新しいデザインに挑戦したり。

 

創作意欲あふれるお母さんたちの発想は留まるところを知りません。

 

 

(ユキノチカラ新聞 2023年11月号より)

西和賀の手工芸として地域に受け継がれるあけびつるの組み編み細工。

使うほどに艶が生まれ、味わい深くなっていきます。

 

あけびの他にも、クルミや山ぶどうを使ったカゴ、稲藁を使った猫ちぐらなど、幅広いアイテムがあります。

 

若畑創作館(若畑老人クラブ)

昭和52年、沢内における農閑期の地場産業づくりの一環で始まったあけびつる細工。

現在も若畑高齢者創作館を活動場所に、地域のお母さん、お父さんたちでかご編みに取り組んでいます。

 

 

【ユキノチカラコラム】里山の恵み、あけびつるをくらしの道具に。