ユキノチカラ

ユキノチカラ

ニュース

2025.02.01

【ユキノチカラコラム】テロワールを感じる、土地のイチゴを育てたい。

めだま企画/Pinkies! 菊池伸也さん


 

県内でも珍しい夏秋イチゴ、「赤い妖精」をハウス栽培する菊池伸也さん。もともとは県外で飲食業に従事していましたが、食材を自ら育てて加工する仕事に携わりたいと考え、父母の実家がある西和賀町で就農しました。幼少期から、父母に連れられて祖父の牛の世話や稲のハセがけを手伝うことも多く、農業が身近にあったと話します。そんな中、イチゴ栽培を選んだ理由を伺いました。

 

「イチゴは思いのほか初期投資も少なく、収量も多い作物。西和賀は北上や盛岡より3℃ほど気温が低く、夏から秋にかけて昼夜の寒暖差が10℃以上あるので、イチゴが旨みを蓄えるのに適した環境なんです」。

 

イチゴハウスは、高設栽培ではなく土耕栽培。収穫も手間がかかり労力も大変ですが、そこには菊池さんの考えがあります。
「ワイン同様、作物も土壌で変わります。やはりテロワールを感じるイチゴづくりをしたいんですよね。それでこそ西和賀のイチゴになると思っています」。

 

『赤い妖精』は、カリフォルニア系の品種。甘味よりも酸味が強く、真っ赤な断面が美しいので、ケーキのトッピングなどによく使われます。夏場はイチゴ集荷量が少ないため、県内パティスリーからの引き合いが多いのですが、菊池さんは生食用出荷だけでなく、冷凍保存したイチゴを自ら「イチゴバター」に加工販売。ぜひ、バゲットや食パンのトーストなどに塗って召し上がってほしいです」と胸を張ります。

 

実は、夏秋栽培に留まらず、西和賀の雪を活用した栽培をはじめた菊池さん。冬に苗を刈った後でビニールを剥がして雪の下で越冬させると、春先に苗がとても元気になり収量が増すのだそう。

 

「これは西和賀の雪に満ちた環境が成せることで、他にはできない栽培方法。夏秋イチゴと合わせて越冬イチゴにも取り組んでいきたいですね」。

 

自信の取り組みを機に、イチゴ栽培農家が増えれば、一緒に西和賀を盛り上げていけるのではと期待を寄せています。

 

(ユキノチカラ新聞 2023年11月号から抜粋)

 

 

▼菊池さんのイチゴバター商品情報はこちらから

一途ないちごバター

【ユキノチカラコラム】テロワールを感じる、土地のイチゴを育てたい。